2017/10/01 09:21
僕たちの未来は、どんな「暮らしかた」の集合体でできていくんだろう。47の点を繋いで、未来のカタチを想像する。
東日本大震災で福島第一原子力発電所がダメになったとき、「エネルギーと暮らし」は思っていた以上に隣り合わせにあることに気がつきました。スーパーマーケットから食べものが無くなったり、電話が繋がらなかったり、仕事がストップしたり、普段は意識しない当たり前のインフラによって、自分たちの暮らしが成り立っていたことも認識しました。
建築でエネルギーを考えるとエコハウスにたどり着きますが、変わりゆく社会の中で、単に省エネルギーの問題ではなく、今までの価値観に縛られない様々な暮らしかたを創造していくときが来ていると感じました…
とまぁ、こんな感じ。
僕が今回見に行こうと思ったきっかけは、群馬に住んでいる岩野 響さんの珈琲が買えるから!!
岩野さんの紹介はこちら
岩野さんは小学3年生の時、アスペルガー症候群と診断された。物との距離感がうまくつかめないため、教科書や黒板に書かれた文字をノートに書き写すことが苦手。中学に入ると授業についていけなくなり、1年の1学期が終わった頃にはトイレが近くなるなど体に不調が表れ始めた。
「このままでは心が潰れてしまう」。心配した母久美子さん(36)は、無理をして登校させる代わりに家族の食事作りを頼むことにした。「小さなことでもいいから『できる』を実感し、自信をつけさせてやりたかった」(久美子さん)
岩野さんは、幼少期から料理の調味料の変化に気づくほど鋭敏な味覚と嗅覚を持ち、カレーのスパイスを自ら調合するほど。やがて、豆の種類や煎り方、いれ方で味や香りが変化するコーヒーの奥深さにひかれ始めた。図書館で本を読みあさり、中2の春からは母の知人にもらった焙煎機を用いるなど探求していく中で、自分の心が解き放たれていくのを感じた。いつか自分の店を持ちたい。でも高校には行った方がいいのか。真剣に悩むようになった。
しかし中3の夏に家族で旅行したタイで船から水平線を眺めた時、迷いは消えた。「世界ってこんなに広大なんだ。他の人と違う生き方もいいのかな」。自分も大海原にこぎ出そうと決意した。
自宅の和室を改修した店内は8畳ほど。父開人さん(39)と一緒に壁をペンキで塗り、床を張り替え、カウンターや机、椅子も手作りした。営業日は毎月1~7日(11~19時)のみで、それ以外は両親が営む染め物洋品店の手伝いや焙煎の研究に充てている。それでも5月は7日間で県内外から1000人以上が店を訪れ、完売の盛況ぶりだった。
今は、豆を買ってくれた人の「おいしい」という一言が何よりうれしい。「季節に合わせて自分らしいコーヒーを出したい」。6月は芽吹いた木々が力強くなっていくのに合わせ、濃いめに仕上げる予定だ。
彼の珈琲を飲みながら、彼の世界観を味わいたい。